週刊「想うのよ」

想うことを綴ります

物より思い出、物より気持ち

まだまだ日本の物欲は強いように想う。

一時は国民全体が衣食住な困らくなったものの、もっともっとが行きすぎてバブル崩壊、その後復活を図るも長らく低迷、そのうち物や金や成長ばかりを追い求める価値観を見直す風潮も盛り上がり、コロナを経て、いよいよそうした新たな価値観に基づく社会の仕組みが創出されるのではないかと個人的に期待したが、コロナが明けて、もとの雰囲気が戻ってきたように感じる。

少なくとも社会の仕組みに大きな変化は見られない。それはその間に格差が広がり、国民が一律に衣食住を満たすことが困難になっているからかもしれない。そうなるとやむを得ない部分もある。

しかしここでもう一度気づくべきなのだ。物への価値観を助長するような(それは地位だったり、権威だったりも含む)環境を作り続ければ、人はひたすらにそれを得るために身を削る。そしてそれらは一時であろうと満たされるのは少数派となる。その少数派もその維持と、もっともっとが続くからきりがない。いずれ膨張は限界を迎えてまたバブル崩壊となる。

なんでも過ぎたるは及ばざるが如しなのだ。しかし自分をコントロールするのはなかなか難しい。故にそれぞれの人がそれぞれの価値観を持ち、それぞれの価値観に従った生き方ができる環境がとても大切だと想うのだ。価値観が分散することで膨張が過大になることが避けられる。社会が安定すると想うのだ。価値観の多様化は社会秩序を不安定にするかもと一瞬想ったが、いやいや十分に共存できる。そのための法治国家だ。

変わらない状況を少し嘆いてみたが、社会の仕組みは変わらなくとも、人の意識は変わってきたのかなと想わせる兆しもある。

大阪万博のテーマだ。

以下に大阪市ホームページからの抜粋を掲載する。大阪万博のテーマだ。

いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)

 「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマは、人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を、国際社会が共創していくことを推し進めるものです。
 言い換えれば、大阪・関西万博は、格差や対立の拡大といった新たな社会課題や、AIやバイオテクノロジー等の科学技術の発展、その結果としての長寿命化といった変化に直面する中で、参加者一人一人に対し、自らにとって「幸福な生き方とは何か」を正面から問う、初めての万博です。
 近年、人々の価値観や生き方がますます多様化するとともに、技術革新によって誰もがこれまで想像しえなかった量の情報にアクセスし、やりとりを行うことが可能となっています。このような進展を踏まえ、大阪・関西万博では、健康・医療をはじめ、カーボンニュートラルやデジタル化といった取組を体現していくとともに、世界の叡智とベストプラクティスを大阪・関西地域に集約し、多様な価値観を踏まえた上での諸課題の解決策を提示していきます。

素晴らしいではないか!!

今までの成長、技術、環境といった見えるもの、或いはそこに多様な価値観といった観点がそもそもないものが主だった。

それがある意味答えのない、そして一人一人に向けて問いかけていくという姿勢、新しいと想った。

こういう取り組みを是非継続して欲しい。

もっと、物ではなく、見えない価値観などに目を向けさせる動きがあっていい。いや、あったほうがいい。いや、あるべきだ。